話を組み立てるのも、戦術を組み立てるのも同じことです。
言葉を操る能力と、身体をコントロールする能力も、ほぼ同じと言っていいでしょう。
強い選手はインタビューに答えるのが上手です。
一流のスポーツ選手ほど、インタビューへの答え方が上手です。
あなたは、公の場で誰かに質問を受けて、自分の考えを、はっきり秩序立てて、聴く人に理解しやすいように答える事が出来ますか?
一流のスポーツ選手は、これが出来る人が多いと思いませんか?
もしあなたが、オリンピックを目指すとか、スポーツの道で生きていこうとするなら、インタビューに強い人間であるということは必須科目になります。
オリンピック出場選手のインタビューを注意深く聞いてみましょう。
オリンピックでも、日本から何人ものメダリストが出ていると思いますが、彼ら一流選手のインタビューを注意深く聞いてみましょう。
嬉しい、悔しいという感情表現とは別に、勝つための戦略や気持ちの持って行き方などをしっかりと組み立てて戦っている事が、メダリストの受け答えから計り知る事が出来ます。
戦略上、答えられない内容があるにしても、インタビューに答える姿勢から、一流選手が、どの程度、その競技を、戦術を深く掘り下げ、試合を進めていたのか分かるでしょう。
奥の深い競技ほど、トッププレーヤーの答える内容は深い
時として、一流選手のインタビューでは、インタビュアーの質問を超えて、一般人には理解しずらい領域に達する事もあります。
インタビュアーが、如何に競技に対して理解度が浅いかを露呈してしまう瞬間が、テレビで放送されてしまう瞬間をあなたも見た事があるでしょう。
サッカー日本代表時代の中田英寿選手へのインタビュー映像を観ていると、インタビュアーが可哀想に見えてくるほどです。
それほど、一流と呼ばれる選手の競技への心構え、戦況を把握する能力、分析力、そして試合が終わった後に、それらをいち早く整理して言葉にする力が優れているという事です。
ゴルフの石川遼選手も、一流プレーヤーに相応しいインタビューへの対応が出来る選手のひとりです。
アマチュアゴルファーが、例えば「○番ホールの2打目はどういう狙いがあって、打ったのですか?」という質問に対して、メモも見ずにその時の状況を即座に詳しく答えらる人は少ないでしょう。
一流プレーヤーはそれを出来る能力を持っています。
女子プロゴルファーの宮里藍選手は、今では、それを英語で出来るまでになっています。
そして卓球界では、福原愛選手。日本語はもちろん、中国語を使ってもインタビュアーに答えています。
あなたは、たった今終わった自分の試合のディテールを、細かく思い出して、説明出来ますか?
自分のプレーを客観的に分析出来ないと、試合に関する質問に的確に、答える事は出来ないでしょう。野生の感だけでプレイする事は、ルールが複雑であればある程、難しくなっていきます。
自分のプレーを、素早く客観的に解説できる能力があれば、試合の途中やセット間に、軌道修正、戦術の変更をして、劣勢のゲームを逆転に導く事も可能になります。
がむしゃらに、対戦相手に挑んで、1試合単調なゲームをして負けては意味がありません。
一流プレーヤーは試合をしながらも、プレーを記憶し、次のプレーのヒントにしているのです。だから、インタビューにもスラスラと答える事が出来るのです。
自分のゲームを解説してみましょう。
あなたにも、同じ事が出来るはずです。今出来なくても、習慣付けていれば可能な事です。
部内での試合形式の練習の時にも、独り言で構いません。たった今のゲームを自分がどのように戦ったか、相手のどのような戦略にてこずったか、などを、まるでオリンピック選手がインタビューを受けたときのように答えてみるのです。
頭の中だけでなく、声に出してみるのです。聞き役がいれば、なお効果があるでしょう。これは脳のトレーニングになります。
この練習は、卓球に限らず他のスポーツ、そしてスポーツ以外の社会で生きていく場合にも、きっと役に立つことでしょう。
口に出してみる事で記憶に定着させる
言葉に出して、音声から記憶させる、そしてすぐ行動に移せば、漠然と考えるだけの内容より、身につきやすく習慣付きやすいと考えられます。
順序立てて言葉を操る練習も強くなるために取り入れてよいでしょう。