中学生や高校生にとって、「練習できる身体を維持する」なんていう感覚は、若すぎてピンとこないかもしれませんね。
一晩寝れば疲れも消えてしまうような年齢です。
しかし、トップレベルを目指すのであれば、体調管理の方法も身につけなければなりません。
大切な試合に、最善のコンディションで臨むためにも。
強くなる全てのベースになるのは練習を適正な時間できる『身体』
どんな競技に限らず、強くなるためのベースになるのは、健康な『身体』の維持です。
昔から『心技体』という言葉はよく使われますが、プロのスポーツ選手に言わせるならばその順序は少し違っています。
プロゴルファーの青木功選手は、強くなるためには「心技体」ではなく、『体・技・心』だと言っています。
最初にくるのは、「体」なのです。
精神力だけでは、本当の勝利までたどり着くことはできません。
体調に不安があれば、集中力の維持が難しい
ゴルフのような、高齢になっても第一線で活躍出来るスポーツでも、必ず衰えを感じる時がやってきます。
それはどういう時かといえば、練習を長く続けられなくなる時です。
例えば、若い時に出来ていた、同じ姿勢を長時間維持しながら続ける練習(パッティングなど)が出来なくなっていきます。
技術が衰えるのではなく、今まで培ってきた技術を確認するための練習が出来ない状態が訪れるのです。
集中力の維持が難しくなるのです。
瞬発力が必要な卓球ではなおさらです。
もし、あなた、そしてあなたが指導している生徒達が、まだまだ若さを持て余している年齢だとしても、ちょっとした怪我や、不摂生による体調不良によって、上記したような状態になってしまうこともあります。
肉体の衰えを感じ始めたスポーツ選手と同じ様に、自分の技術を確認するための練習が、コンディション維持を怠ったためにできなくなる。
若い肉体をもっているにも関わらず、引退間際の選手の様な状態でしか練習が出来ないのであれば、上達する事は至難の技であり、本人にとってもジレンマに苦しむことになります。
怪我や体調不良によって、早々と競技を続ける事を諦めてしまった才能のある学生を、あなたは直ぐに思い浮かべる事が出来るかもしれません。
それは本人にとっても指導者のあなたにとっても非常に後悔の残る思い出です。
コンディションの良くない常態での無理な長時間練習は危険
ある集団の中で、いつもヤル気のなさそうな雰囲気を醸し出していて、「怠け者」のレッテルを貼られていた人物が、実は自分でも知らなかった病気だったという話もあります。
「こんなことお前ならできるだろう」なんて、怒ってしまいそうな場面。
指導者は、技術指導や練習メニューの組み立てだけではなく、練習に臨む以前の選手の心と身体の常態の観察も必要です。
これは、軽く見てはならない部分です。
時には部員の親御さんとの協力も必要になってきます。
部活動だけでなく、その後の人生にとっても重要になる部分
世界を目指す、インターハイ出場を目指す、または充実した学生生活を過ごす。
目指すタイプはひとそれぞれ様々です。
スポーツのために寮生活をしている選手でもなければ、生徒達は部活動が終わった後、下校途中のお店にみんなで立ち寄って、ジュースを飲んだりアイスを食べたりタコ焼き食べたりしながら、ガヤガヤと1日を振り返りながら帰宅していくというパターンが多いと思います。
それは、部活動と繋がった楽しい思い出として、とても懐かしくも感じます。
しかし、これでは、「練習できる体」の維持は難しい。
もしワールドクラスを目標に掲げるのであれば、体脂肪率の管理、はたまた、歯の噛み合わせまで、健康の維持に気を回さなければなりません。
強くなるための練習を続けられるための、体の維持、管理を疎かにしてはいけません。
強くなるための分岐点はこんな所にもあるものです。
これは小さな一例ですが、部活帰りの買い食いを我慢して、ひとつステップアップする。
それは本人の選択次第です。
ある選手が本気で強くなる事を願っているならば、指導者はその選択を選手にさせなければならない時があるでしょう。
それはスポーツに限った事ではありません。
指導者には、世界を目指すならば、技術だけでなく、生活の仕方にも関わらなくてはならないことがある。
それを肝に銘じておきましょう。
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