3球目攻撃という言葉があります。
自分が出したサービスに対して、相手選手が甘いレシーブを返してきたところを、間髪入れずに強打して、そこでラリーを終わらせてしまう。
プレーヤーにとっては、してやったりの瞬間です。
とはいえ、2球目のレシーブを甘く返球してしまうことは、ワールドクラスの試合では、そんなに多くはないでしょう。
本当のところはどうなのでしょう?
世界レベルでのゲームで一試合に、3球目攻撃でポイントをとる割合を調べてみました。(4球目が返ってこないという意味です。)
その前に、3球目攻撃を有効に使う方法をおさらいしましょう。
サービス側が有利にならないと意味がない
3球目攻撃を成功させるには、3球目をスマッシュできるほど、相手の返球が浮いてくる必要性能がありますよね。
いくら、難しいテクニックを使ったサービスを出しても、相手からの返球が、こちらが強打できるような球質でなければ、意味がありません。
スペシャルなサービスを出したは良いが、返ってきた2球目が、より難解な回転になって返ってきたら、スペシャルサーブ?が逆効果になってしまいます。
チキータなどのレシーブ技術が開発されて、そんな場面は頻繁になっています。
ただ、闇雲に自分のサービスのレパートリーを出していませんか?
いろんなスタイルのサービスを中途半端にたくさん覚えて、試合では、それを次から次へと順番に披露する。
「見よ !俺の七色のサービスを!」
これは、現役時代の私です。馬鹿でした。(笑)
初めて対戦する相手には多少効果はあるかもしれませんが、3球目以降をどう打っていこうなどという発想はありませんでした。
あなたは、こんな私のような無計画なゲームプランでサービスを出してはいけません。
サービスの種類でその後の流れは変わる
相手にとって、回転の読みづらいサービスは効果的ですが、そのサービスを出す意図をこちらが意識していなければ意味がありません。
例えば、あなたのサーブの打ち方を見て、
3球目攻撃は浮かせた返球を狙う
サーブの種類によって、狙うのは基本的にはこの2つです。
- ネットさせるか
- 浮いた返球をさせるか
横回転を混ぜて、縦、横、斜め、下、の回転に無回転も含めて、数々のサーブを作り出せますが、
それでも、狙っていることは、ネットさせるか、返球を浮かせるかのどちらかが目的になります。
「上がり」「下がり」
とか
「上げ」「下げ」
と言ったりしますよね。
そして、3球目攻撃を、どのシチュエーションで行うかと言えば、
そう、
レシーバーが返球を浮かせた時。
ということになります。
こちらのサーブが、相手が思ったより「切れてない」時ということになります。
そうは言っても、相手が上手かったり、こちらのサーブが相手を幻惑出来ていなかったりすれば、なかなか、3球目で即スマッシュエースということにはなりませんよね。
そこは練習しかありません。
ただの下回転サーブでも回転量に変化をつけよう
浮いたレシーブを誘発するためには、複雑なフォームのサーブを身につけなくてはいけないわけではありません。
シンプルなサービスでも、強烈に切れたボールが出せれば、同じフォームで弱い回転のサーブを出せば、相手の判断を謝らせ、返球を浮かせることができます。
同じ考え方で、相手のレシーブを浮かせる工夫をしましょう。
成功すれば、気持ちよく3球目攻撃が決まるはずです。
2球目を浮いて返球させるために、自分のサービスのレパートリーに「切れた」サーブを織り交ぜていくわけです。
「切れた」サーブを出す際は、2球目の返球が上手く返された場合、ラリーは続く可能性が多くなりますから、基本姿勢に素早く戻り、凌ぎ合いに備えましょう。
世界レベルで3球目攻撃は決まるのか
近頃は、動画サイトという便利なものがあるので、世界レベルのゲームを何度も見ることができるようになりました。
そこで、実際、世界レベルの試合で3球目攻撃が決まっているか見てみましょう。
3球目攻撃といえば、「速攻」です。
ということは、やはり速攻型の選手のほうが、決めている確率が多いのではないかと思います。
そこで、世界ランキング上位で、「速攻型」と呼ばれている選手のゲームを見て、3球目攻撃でポイントをとった回数を数えてみます。
昔のようなペン表ソフト前陣速攻型の選手は、もういなくなってしまったので、「速攻型」と呼ばれることもある松平健太選手のゲームからの調査です。
2018年ブルガリアオープンでの
松平健太 対 許昕
の試合はセットカウント4-1で許昕の勝利でした。
このゲームで、
3球目攻撃(的)に決まってポイントを獲った場面がどのくらいあったかというと、
第1セット
- 松平選手 1回
- 許昕選手 1回
第2セット
- 松平選手 2回
- 許昕選手 1回
第3セット
- 松平選手 2回
- 許昕選手 0回
第4セット
- 松平選手 1回
- 許昕選手 0回
第5セット
- 松平選手 2回
- 許昕選手 2回
1ゲーム中、3球目を強打して決めてポイントをとった回数は、
松平選手 8回
許昕選手 4回
となりました!!!
1セットで多くて2回程度しかありません。
なんだか、最初に私が3球目攻撃について書いていたことと噛み合わない結果です。
世界レベルのプレーヤーは、2球目の返球を浮かすことが殆どありません。
(松平健太選手は2球目のネットミスが多くて、それが許昕選手の3球目でのポイントが少ない原因かもしれません。)
規則の変更により、ボールのサイズが大きくしたたのは、ボールのスピードを遅くすることにより、ラリーを増やして観客を楽しませるという目的がありました。
その結果、3球目攻撃で終わる確率は少なくなったと考えられます。
3球目を強打されても、届く範囲なら打点を遅らせれば、トップレベルでは普通に返球できてしまいます。
しかし、まだまだレベルによっては3球目でぶち抜くようなスマッシュを決められる場面は、いくらでもあります。
良いサーブを持っていれば、浮いた返球をさせることは、初対戦の相手なら何度もできるでしょう。
3球目のスマッシュエースは気持ちの良いものです。
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