ラバーの厚さ(主にスポンジ部分の厚さ)の違いは、どのようにプレーに現れるでしょうか?
また、自分が目指しているプレースタイルに、いちばんマッチしたラバーの厚さはどのような基準で選べば良いのでしょうか?
スポンジの暑さの違いによる特性を理解しながら自分に合うラバーを選択しましょう。
スポンジの厚さの種類。
ラバーのスポンジの厚さには、基本的には、
- 超極薄、極薄
- 薄
- 中
- 厚
- 特厚、MAX
メーカーによって表示に違いはありますが、スポンジの厚さは、
超極薄からMAXの間で0.4ミリ〜4ミリと10倍ほどの差があります。
総重量は以外に大事
薄めのラバーと特厚を比べると、ラケットと合わせた総重量の面でも相当の違いがあります。
重量は、軽視してしまいがちですが重要です。
特に非力な選手にとってはスイングスピードに少なからず影響します。
私の話で恐縮ですが、私は物凄くガリガリで非力なペンホルダーの選手だったのですが、当時日本式ペンの異質ラバー反転型が流行り、私も表ソフト前陣系にも関わらず、ラケットのコルクを削って反転ラケットに改造しました。
裏面にイボ高(現在の粒高ラバー)を貼ってみました。
非力だった私は、ラケットが振り切れなくなり部内で普段負けなかった相手にも負けたりしました。
ペンホルダーの片面ラバーだけのラケットと、ラバー両面に貼ったラケットでは、感じる重量感がかなり違います。
ラケットを軽快に振り切れるかも、ラバーを選ぶポイントになるでしょう。
ボールスピードはスポンジの反発力で決まる。
あなたは、不思議に思ったことはありませんか?
卓球のボールを、普通の床とスポンジの引かれた床に、同じ高さからボールを落としたら、より高くバウンドするのは、何も張っていない床のはずです。
これは、ボールが床に当たった時に、ボールが一瞬つぶれて、元に戻る力が失われないからです。
スポンジはいくら硬くても、床よりは柔らかいので、床でバウンドする時よりも力が吸収されます。
そう考えてみると、木べら(現在は禁止)や一枚ラバー、またはスポンジが薄いラバーのほうがスピードのあるボールを返せるような気がしてきますよね。でもそうじゃないらしいのです。
メーカーの解説では、スポンジが厚いほうがボールスピードがでると説明しています。
ラケットとの組み合わせによって一概にはいえませんが、ラバーはスポンジが厚いほど打球にスピードが出ます。
スポンジだけで考えるなら、スピードのあるボールを打つには厚いスポンジがいいということになります。
なぜ、スポンジが厚いほうがボールが弾む?
ラバーは厚いほどよく弾みますが、〜
メーカーの解説では、同じラバーならスポンジが厚いほうが弾むと言っています。
また、
スポンジが厚いほうが相手の回転の影響を受けにくいとも解説しています。
これは、私が考えていたことと全く逆のことを言っていて唸らされます。
私の考えていたことは、スポンジが厚いほうが、スポンジの薄いラバーより、インパクト時にボールがつぶれる度合いが少なくなり、相手のボールの勢いを吸収するので弾まない。
スポンジが厚いほうが、いちばん硬いラケットの木面から距離があるのだから、薄いスポンジより反発力が減ってしまうような気がしてしょうがないのですが。
薄いボクシンググローブのほうが厚いボクシンググローブよりもパンチ力が伝わると思いませんか?
しかし、私の考えは間違いらしい。
ボールスピードとスポンジの硬さの関係
スポンジのやわらかさ比較では、スポンジが硬いほうが、インパクトでボールがスポンジに食い込みにくくて球離れが早く、柔らかいスポンジのラバーより、スピードが上がるそうです。
この解説にもやや疑問があります。
ならば、スポンジが硬くて、薄いほうが、もっとボールが食い込み難いんじゃないのか?スポンジが薄くて木面に近いほうがスピードがでるはずだ。(コントロール性は考えないでの話です。)
往生際が悪いですね。私。
スポンジの薄いラバーのほうが回転の影響を受けやすい?
メーカーが解説しているのだから、科学的に間違ってはいないのでしょう。
スポンジが薄いほうがボールが弾まず回転の影響を受けやすいのだそうです。
これ本当なのでしょうか?
従ってサービス時に回転をかけやすいのだそうです。
私は、ラバーが薄いほうが、打球面と、木面(スポンジより硬い)の距離が近いので、反発力が強く球離れも早いので、回転の影響は、厚いスポンジよりも少ないと思っていました。
厚いスポンジのほうがボールが打球面と接触している時間が長いので回転の影響を受けやすいと思うのですが…。
これも私の考え違いらしいです。
私は学生時代、表ソフトの前陣速攻型でしたが、ラバーは「薄」を使っていました。
「薄」を使っていた理由は、上に書いた理由で、薄のほうが相手からの回転の影響が少なく、薄のほうがラケットの厚みによる反発力が活きると思っていたからです。
私の学生時代の考えは、全て逆だった?可能性が高いです(涙)
卓球のボールもつぶれる
メーカーの解説を拝見すると、ボールがつぶれて元に戻る力についての言及を見かけません。(私が見つけていないだけかもしれません。)
図解でも、ボールは丸いままで、ラバーだけが凹んでいるものばかりです。
そこが、私のような誤解をする偏屈者ができてしまう原因かもしれません。
- つぶれるボールと大きく凹む厚目のラバーがぶつかるのと、
- つぶれるボールとあまり凹まない薄いラバーがぶつかるのでは、
後者のほうがボールが強く跳ね返るだろうと普通は考えてしまいます。
たぶん、なぜ誤解が生じるかというと、(誤解しているのは私だけかもしれませんが)、
止まったままのラケットにボールが当たって跳ね返るのと、ラケットを振ってボールに当たる時に、後ろから押されるという状況では、全然結果が違うということなのだろうと思います。
メーカーさんの説明ではボールを打った時(スイングした時)を当たり前の前提として語っていますで、私のような偏屈者は相手にしていないのでした。
ラバーの厚さとトランポリン効果
若い学生の卓球選手のみなさんはゴルフには、興味がないと思いますが、顧問の先生はゴルフを趣味にしている方もいるでしょう。
ゴルフでドライバーの飛距離が出ないと悩んでいる人は、「トランポリン効果」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
いくら硬度が高いといってもスポンジが厚いラバーのほうがインパクトで力が吸収されてしまうはずだと思っている私のような人の誤解は、「トランポリン効果」によって説明できます。
ゴルフにおけるトランポリン効果とは
ゴルフに興味ない人も少しの間、我慢して読んで下さい。
ゴルフのドライバーの話ですが、以前は、ドライバーのフェースも中空のクラブヘッド自体も硬度が高いほうがエネルギー効率が良く、インパクトでボールがつぶれて復元するにはパワーを伝えられると考えられていました。
しかし、最近の研究では、、インパクト時にドライバーのフェースもクラブヘッド(クラウン)自体も効率的に「たわむ」ほうが飛距離が得られることが分かっています。
理論的には、
トランポリン効果の解説を知って、なぜ、卓球で厚いラバーのほうがスピードが出るかの疑問が解けました。
卓球に置き換えるなら、
こう考えると、厚いラバーのほうが、薄いラバーより、トランポリン効果を活かせるということで納得はいきます。
本物のトランポリンも、乗っている人間が、トランポリンが伸びて元に戻るタイミングでジャンプするから、身長の何倍も高く上がれるわけです。
それと同じだったんですね。
スピードだけに限定してお話ししてしまいましたが、あなたのラバー選びのヒントになれば幸いです。
薄いラバーが球離れが遅いという解説には、未だに納得いきませんが…。