卓球の強さは運動神経だけで測れるものじゃない

あの人は運動神経がいい、なんて言い方をすることがありますが、なんだか抽象的な言い方です。

「運動神経」という言葉を調べてみると、実際、私たちが使っている言葉の意味とはちょっと違うようです。

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運動神経が悪いからと諦めるのは早すぎる

強さを測る物差しは「運動神経」だけではありません

私たちが普段使っている「あの人は運動神経がいいね」という時の意味は「あの人はスポーツがよく出来る人だね」という使い方をすると思います。

卓球の強い人はもちろん、一般で言われている「運動神経」が良い人たちであることには間違いありません。

しかしどうでしょう卓球の強い人の中には、それほど運動神経が良いわけではないと思われる人も含まれていることに気づかされます。

それこそ、日本のトップクラスの中にも、他の競技であったならここまでのポジションに来れなかったのではないかという選手も見受けられます。

卓球の強さは運動神経の良さだけでは測れないのです。

強くなるには身体能力の高さだけではダメ

中学生や高校生の卓球部員で、もの凄く強い選手のなかには、授業の体育の時間の彼らを見ると、なんだか冴えないなぁと思わされることがあります。

よっぽど文化部の生徒の方が運動神経が良さそうに見えたり…。

器械体操の選手が球技が、からっきしダメというのは時々耳にするお話です。

オリンピックの体操競技のメダリストの、森末慎二さんも球技が苦手だそうです。

球技の場合、筋力や瞬発力、動体視力、などの身体能力だけでなく、判断力、心理学、先を読む力などが求められます。

判断力、心理学、先を読む力などは、後天的に身につけることができる能力です。

これらを学習と練習によって向上させることにより、自分より運動能力が優れたプレーヤーに勝つことができるようになる可能性は十分にあります。

常に先手を取ることで有利に

対戦相手の心を読む

卓球には、心理戦の要素が多く含まれます。

対戦相手の心を読むことによって、戦況を有利に進めることも可能です。

焦っている時の相手の表情、クセなど研究することによって、これも身体能力をカバーすることができます。

部員の中にいませんでしたか?

卓球の試合の時だけ、やけに憎らしい奴。

サーブのタイミングや、プレイ中の間の取り方、ポイントを取った時の振る舞い方で、対戦相手をジリジリと平常心でいられなくする。

あからさまなものは良くないですが、このようプレイの間の駆け引きだけでも、有利に試合を進めていくことも可能です。

これはサッカーで良く言われる「マリーシア」に通じるものです。

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運動神経が良くなくても、出来ること

自分が先手を取ることによって、身体能力の高い選手を振り回すことも可能です。

サービスを出す時も、たとえ実際に効果がないとしても、一瞬、対戦相手が「?」と感じる瞬間を作る工夫。

それだけでチャンスボールが返ってくる確率が1%でも増えれば、これはまさに、「運動神経」とは違う部分で勝ちに近づける技術です。

レシーブするにしても、相手が慣れてしまわないように毎回小さな違いつけて返球することを考えます。

しかし、それには最低限の基礎技術は必要です。

そして最新の技術も次から次へと開発されていきますので、卓球界の最新情報に常に目を通しておくことは大事です。

基礎の技術にプラスして、駆け引き、心理学、観察力を自分のものにすることが出来たなら、2ポイント、3ポイントの上積みは可能になるでしょう。

「運動神経」で、たとえ対戦相手に劣ることがあってとしても、対等かそれ以上に戦えることだって不可能ではないのです。

日本協会強化本部長も、運動神経が良くない子供のほうが強くなると言ってしまう!

卓球の日本協会強化本部長の宮崎義仁氏も、卓球は、運動神経が良くない子供のほうが強くなると言っています。

 現在世界トップレベルで活躍している日本代表選手も運動神経が良いわけではない。  「かけっこで50人走らせて、一番ビリになった子が一番速い卓球をする。ということは、一番早く強くなる。身長順でいうと一番低い子が前陣速攻になって、一番強くなる。それが伊藤美誠とか平野美宇。丹羽孝希も160センチないくらいの身長で前陣にへばりついてやる。丹羽はダッシュさせたら1番遅い、長距離も1番遅い。前転ができない、側転ができない。ドリブルができない。ピッチングができない。本当に卓球意外何ができるの?ってくらい。パターを5回連続空振りするくらい。申し訳ないけど、まったく運動神経はない。でも卓球は世界ランク1ケタ(9位)ですよ。226の国と地域が卓球をやって、競技人口も数億という莫大(ばくだい)な競技人口の中で、トップ10に入る。卓球は全く運動能力は関係ないと思いますね。動体視力とかは毎日練習するなかで自然と身に付くもの。全員に可能性がある」卓球は「運動神経の悪い子の方が強くなる」…日本協会強化本部長・宮崎義仁氏に聞く/前編 スポーツ報知

宮崎義仁氏の見方では、運動神経の良くない子供は自然に台についてプレーする前陣速攻型になり、運動神経の良い子供は長くボールを見ることができるため、後ろに下がってしまう。

その結果、運動神経の良くない子供のほうが強くなるのだそうです。 納得できたような、出来ないような…。

とはいえ、もしあなたが、自分の運動神経に自信を持てないのなら、宮崎義仁氏の言葉は励ましになりますね。

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